ChateauLaLagune / シャトー・ラ・ラギューヌラ・ラギューヌには、ボルドーの華々しい成功物語がある。1950年のこのシャトーはすさまじい荒れようで、ブドウを植え替え、ワイナリーを再建し、1855年の格付けシャトーというエリート・クラブのメンバーの名に恥じない地位に返り咲かせようとするなど夢物語だと、故アレクシス・リシーヌをはじめとする様々な有力バイヤーたちに嘲(あざけ)られるありさまだった。ジョルジュ・ブリュネという起業家がここを買収し、畑を全面的に植え替え、ワイナリーを建てたのは1958年である。それが今日では、メドックでも瀟洒(しようしや)な建物として知られている。ブリュネは、巨額な投資の見返りを受ける前にこの地を去っている。プロヴァンスに移り、シャトー・ヴィニュロールというワイナリーを一流に育て上げ、転売したのである。彼はラ・ラギューヌを1962年にシャンパンのアヤラ社に売却したが、同社はそれから今日まで、変わらない決意と情熱でラ・ラギューヌの改善と経営に取り組んできた。最大の革新的なアイデアは(いまだに追従者が現れないが)、輸送するワインが空気に触れないように、発酵槽から樽を貯蔵するセラーまでパイプラインを敷設したことである。ラ・ラギューヌは、ボルドーからメドックに向かって有名な県道2号線を走ると、一番最初に出会う格付けシャトーである。ボルドーからは16km足らず。ブドウ畑は、ボルドーの南にあたるグラーヴとさほど変わりがなく、たいへんに軽い、砂礫(されき)に近い砂地である。ラ・ラギューヌは1964年、故ジャンヌ・ボワリをマネージャーに任命したが、女性をこの役職につけたシャトーはここが最初である。男性優位のボルドーにあって、革命的な進歩だった。男性が支配するワイン界の権力中枢部にこそ至れなかったものの、彼女は、ボルドーきっての真面目で有能なマネージャーであり、厳格、きちょうめんで、侮りがたいその人柄を軽んじる者はいなかった。1986年にジャンヌ・ボワリが亡くなってからは、娘のカロリーヌ・デヴェルニュが後を継いで管理を引き受けている。ラ・ラギューヌのワインづくりのスタイルは、ポムロル的でもありグラーヴ的でもあると評されている。ある高名な批評家によれば「ブルゴーニュ的」でもある。この3つの形容はいずれもポイントをついている。時には強烈なヴァニリン・オーク(ほぼ毎ヴィンテージ、100%新樽を使うワイナリーのひとつである)やブラックチェリーのブーケのある、豊かで肉付きのよい、しっかりしたワインになることもある。ラ・ラギューヌのワインは通常、10年目を迎える頃にはすっかり熟成するが、15年や20年もつこともある。ラ・ラギューヌは、品質も力も1966年以来、目に見えて向上させており、畑が古くなるとともに、一貫してメドックの偉大な(そして驚くほど良心的な値段の)ワインのひとつに数えられている。とりわけ目覚ましいのは1976年からであり、コストに敏感な消費者は、この見事につくられたワインこそ、ボルドーの格付けシャトーのなかでも断然の値打ちがあることに、ぜひ気づいていただきたい。講談社『BORDEAUXボルドー第3版』 |
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